実質賃金は上がったのに家計支出は9か月連続減|なぜ生活が楽になった感じがしない?

どうも、たぬきんです。

最近、

「賃金が上がった」

というニュースを以前より目にするようになりました。

普通に考えれば、

給料が上がる
↓
使えるお金が増える
↓
消費も増える

となりそうです。

ところが、実際の家計は少し違う動きをしています。

2026年8月の二人以上世帯の消費支出は、1世帯当たり31万975円。

物価変動の影響を除いた実質では、前年同月比3.1%減少しました。

これで前年同月比の減少は9か月連続です。 統計局

一方で、同じ8月の実質賃金は前年同月比1.5%増。

こちらは8か月連続のプラスとなっています。 厚生労働省

つまり、

実質賃金は増えているのに、家計支出は減っている。

なかなか不思議な状態です。

今回は、

なぜ給料が上がっても生活が楽になった感じがしないのか?

という視点で考えてみます。


まず数字を整理

2026年8月の主な数字をまとめると、こんな感じです。

項目2026年8月
二人以上世帯の消費支出310,975円
実質消費支出前年比 −3.1%
消費支出の減少9か月連続
現金給与総額311,364円
名目賃金+3.8%
実質賃金+1.5%
実質賃金の増加8か月連続

厚生労働省によると、現金給与総額は前年同月比3.8%増。物価を考慮した実質賃金も1.5%増えました。 厚生労働省

それなのに、家計支出は3.1%減。

数字だけを見ると、

「給料が増えたのに、みんな使わなくなっている」

ように見えます。


家計支出の最近の推移

ここ数か月を見ても、消費の弱さが分かります。

月実質消費支出・前年同月比
2026年5月−0.4%
6月−3.3%
7月−3.6%
8月−3.1%

※二人以上の世帯

5月   -0.4%  ▏
6月   -3.3%  ███████
7月   -3.6%  ████████
8月   -3.1%  ███████

7月より減少幅は少し縮小しています。

また、8月は前月比では実質0.1%増なので、すべてが悪化しているわけではありません。 統計局

ただ、前年と比べれば依然として支出は弱い状態です。


なぜ賃金が上がっても使わないのか?

ここからが気になるところです。

僕は大きく4つあると思っています。

① 「賃金上昇=手取り増」ではない

まず注意したいのがこれです。

ニュースで出てくる「現金給与総額」は、

税金や社会保険料を引く前の金額

です。

厚生労働省も、現金給与総額について、所得税や社会保険料などを差し引く前の給与だと説明しています。 厚生労働省

つまり、

給料+3.8%
=自由に使えるお金+3.8%

ではありません。

税金。

社会保険料。

その他の負担。

を考えると、

実際に銀行口座へ入ってくる金額の伸びは、額面給与とは違います。

これはかなり重要だと思います。


② 物価が上がった記憶は簡単には消えない

実質賃金がプラスになったとはいえ、

ここ数年、

食品。

電気代。

ガス代。

日用品。

家賃。

など、いろいろなものが値上がりしてきました。

一度生活費が上がると、

「給料が少し増えたから使おう」

とは、なかなかならない気がします。

むしろ、

「また値上げするかもしれないから残しておこう」

となる人も多いのではないでしょうか。

実際、前の記事でも書いたように、企業物価はまだ高い水準にあります。

家計からすると、

今後の値上げへの警戒がまだ解けていない

とも考えられます。


③ 給料と家計支出は、そもそも同じ人を見ているわけではない

ここも大事です。

実質賃金は、

働いている人の給与

を見ています。

一方、家計調査は、

世帯の消費

を見ています。

高齢者世帯。

子育て世帯。

共働き世帯。

単身世帯。

などでは、当然状況が違います。

つまり、

「平均賃金が上がった」からといって、すべての家庭の収入が同じように増えているわけではありません。

平均値だけでは生活実感が分かりにくい理由の一つだと思います。


④ 増えた分を「使う」より「貯める」可能性

給料が増えたとしても、

その分を全部使う必要はありません。

例えば月5,000円収入が増えたとして、

以前なら、

外食しよう。

服を買おう。

旅行に行こう。

となっていた人が、

今は、

「とりあえず貯金しておこう」

となっている可能性もあります。

特に、

物価高。

教育費。

老後。

住宅費。

など将来への不安があると、収入が増えても消費より貯蓄を優先しやすくなります。


「実質賃金プラス」なのに生活が楽にならない理由

ここまでを簡単にすると、

給料は上昇
   ↓
でも…
   ↓
税金・社会保険料
物価高
将来への不安
家庭による収入差
   ↓
自由に使える感覚はあまり増えない
   ↓
消費を抑える

という感じでしょうか。

個人的には、

「賃金が上がった」というニュースだけで生活が良くなったと判断するのは難しい

と感じます。


名目賃金はかなり伸びている

とはいえ、悪いニュースばかりではありません。

2026年8月の現金給与総額は、

31万1,364円で前年比3.8%増。

所定内給与も、

27万7,861円で3.8%増。

さらにパートタイム労働者の時間当たり給与は、

1,472円で4.3%増

となっています。 厚生労働省

賃金そのものが上向いていることは、家計にとってプラスです。

問題は、

この賃金上昇が生活の余裕につながるかどうか。

ここだと思います。


僕自身も「収入が増えたら全部使う」とはならない

FIREを目指している自分の場合、

収入が少し増えたとしても、

そのまま生活水準を上げるというより、

投資。

貯蓄。

子ども関連の支出。

などに回すと思います。

なので、

「給料が上がったのに消費が増えない」

という数字を見ても、そこまで不思議には感じません。

むしろ物価が上がっている状況では、

生活水準を上げるより、

余裕があるうちに資産形成しておこう

と考える人もいると思います。


FIRE目線では「収入アップより生活水準を上げない」が重要

FIREを目指すなら、ここも重要です。

例えば給料が、

月1万円増えた。

そこで、

生活費も月1万円増えた。

となれば、

資産形成のスピードはほとんど変わりません。

逆に、

収入+1万円
生活費±0円

なら、

年間12万円を追加で投資できます。

収入が増える
      ↓
生活水準を上げない
      ↓
余剰資金が増える
      ↓
貯蓄・投資へ
      ↓
FIREに近づく

個人的には、

賃金上昇局面ほど生活水準を上げないこと

が、FIREにはかなり効くと思っています。


ただし「節約しているから支出減」とは限らない

今回の数字を見て、

「日本人が節約するようになった」

と単純に結論付けるのも早いと思います。

家計調査には、

購入時期のズレ。

天候。

大型商品の購入。

前年の反動。

世帯構成。

など、さまざまな要因があります。

8月の実質消費支出は前年比では3.1%減ですが、前月比では0.1%増えています。 統計局

なので、

「消費が完全に崩れている」

とまで見る必要もなさそうです。


まとめ|給料だけ見ても生活の余裕は分からない

2026年8月は、

実質賃金+1.5%。

一方、

家計の実質消費支出は−3.1%。

家計支出は前年同月比で9か月連続の減少となりました。 厚生労働省

一見すると矛盾しているように見えます。

でも、

賃金は税金や社会保険料を引く前。

物価高はまだ続いている。

家庭によって収入状況は違う。

将来への不安もある。

と考えると、

「給料が上がったから、すぐ消費を増やそう」

とはならないのも分かります。

個人的に今回の数字を見て思ったのは、

大事なのは給料が上がったかではなく、最終的に家計にいくら残るか。

ということです。

FIREを目指す自分としても、

収入が増えたときほど生活水準をむやみに上げず、

増えた分を資産形成に回せる家計

を作っていきたいと思います。


※本記事は総務省「家計調査」と厚生労働省「毎月勤労統計調査」などの公表資料をもとに作成しています。平均値は個々の家庭の状況を表すものではありません。

出典:総務省統計局「家計調査 2026年8月分」、厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年8月分結果速報」

タイトルは、検索とクリックのバランスなら 「実質賃金は上がったのに家計支出は9か月連続減|なぜ生活が楽になった感じがしない?」 が一番使いやすいと思います。

私がこの記事を書いたよ!

たぬきん

たぬきん

トップへ