もやしまで値上げ?「物価の優等生」に何が起きているのか|生産者の倒産・廃業が相次ぐ理由

もやしまで値上げ?「物価の優等生」に何が起きているのか|生産者の倒産・廃業が相次ぐ理由

どうも、たぬきんです。

スーパーに行けば、今でも数十円で買える「もやし」。

野菜が高くなった時でも比較的安く、

「物価の優等生」

なんて呼ばれてきました。

僕も、

「とりあえず野菜を増やしたいなら、もやしを入れておけば安い」

くらいの感覚があります(笑)

ところが、そのもやし業界で今、かなり深刻なことが起きています。

値上げ。

そして、それ以上に気になるのが、

もやし生産者の倒産や廃業です。

2026年10月には、埼玉県の大手生産会社「サイキ食品」が事業を停止し、破産申請の準備に入りました。同社はもやしを日産約40トン生産する県内トップクラスの企業で、負債は約15億円と報じられています。 埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題

「もやしって、そんなに厳しい業界なの?」

と思ったので調べてみました。


もやし生産者は17年で約3分の1に

まず驚いたのが、生産者数です。

もやし生産者協会によると、

2009年:235事業者

だった全国のもやし生産者は、

2026年度初め:86事業者

まで減少しています。 FNNプライムオンライン

ざっくり計算すると、

約63%減。

残っているのは、17年前の約3分の1です。

2009年 235
■■■■■■■■■■

2026年 86
■■■■

スーパーでは普通に売っているので、ここまで生産者が減っているとは思いませんでした。

しかも、単なる業界再編だけではなく、

廃業や倒産が相次いでいる

という状況です。 FNNプライムオンライン


なぜ「安いもやし」を作る会社が苦しくなるのか

理由はかなりシンプルです。

作るためのコストは上がっているのに、販売価格を上げにくい。

これです。

もやしは畑で育てる野菜とは少し違い、工場で安定的に生産されます。

そのため、

  • 原料となる種子
  • 電気代
  • ガス・燃料費
  • 水道代
  • 包装資材
  • 人件費
  • 物流費

など、さまざまなコストがかかります。

ところが近年は、こうした費用が軒並み上昇しています。

今回事業停止となったサイキ食品も、輸入する原料種子や光熱費の高騰に対して価格転嫁が十分に進まず、収益が悪化したと報じられています。過去の設備投資による借入負担も経営を圧迫しました。 しょくばログ

つまり、

売れば売るほど儲かる

というより、

場合によっては、

たくさん作っても利益がほとんど残らない

という薄利多売の世界です。


「もやしは安くて当たり前」が逆に苦しめている

ここが今回一番面白いところだと思います。

スーパーでもやしが、

38円
↓
48円

になったら、

「もやし高くなったな」

と思いませんか?

でも他の商品だったら、

198円
↓
208円

になっても、そこまで気にしないかもしれません。

同じ10円値上げでも、

38円の商品なら、

約26%の値上げ

です。

もやしはもともとの販売価格が安すぎるため、数円の値上げでも消費者からは大きな値上げに見えます。

業界関係者も、もやしは他社との差別化が難しく価格競争になりやすいため、原材料や燃料費が上がっても価格へ転嫁しにくいと説明しています。 FNNプライムオンライン

長年、

「もやし=安い」

というイメージを作ってきたことが、今度は生産者自身を苦しめているわけです。


ついにもやしも値上げ

実際、飲食店にも影響が出ています。

東京都内の二郎系ラーメン店では、以前は2kg約300円だったもやしが、

約370円

まで値上がりしたと報じられています。 TBS NEWS DIG

300円から370円なので、

約23%上昇。

二郎系ラーメンのように大量のもやしを使う店では、かなり大きいですよね。

例えば1日20kg使うとすると、

2kg×10袋。

単純計算すると、

以前
300円 × 10袋
=3,000円

現在
370円 × 10袋
=3,700円

差額は、

1日700円。

30日なら、

月約2万1,000円

のコスト増になります。

※実際の仕入れ量・営業日・契約価格によって異なる単純計算です。

一袋単位では数十円の話でも、業務用になると結構大きな金額になります。


大手が倒れると「もやし争奪戦」になる可能性も

もう一つ問題なのが、

供給する会社そのものが減っていること。

サイキ食品のような大手生産会社が止まると、

「その会社から仕入れていたスーパーや飲食店はどうするのか?」

という話になります。

当然、

別の生産会社に注文が集中します。

すると、

需要
↓
残っている生産者へ集中
↓
供給能力が足りない
↓
仕入れにくくなる
↓
価格上昇

ということも起こり得ます。

実際、最近の報道では一部で「もやし争奪戦」とも表現され、安定供給への懸念が指摘されています。 FNNプライムオンライン


安いものほど値上げできないという問題

今回のニュースを見て、

個人的には、

「安いことが必ずしも良いことではない」

と思いました。

もちろん消費者としては、

安いほうがうれしい。

僕も当然そうです。

でも、

30円の商品をずっと30円で売り続けるために、生産者が利益を削り続けて、

最後には、

会社そのものがなくなってしまう。

それでは意味がありません。

30円
↓
40円

になっても、

安定して供給されるほうが長い目で見ればいいのかもしれません。


「物価の優等生」は他にも危ない?

この話は、もやしだけではないと思います。

長年、

「安くて当たり前」

と思われてきた商品ほど、

価格転嫁が難しい可能性があります。

例えば、

豆腐
納豆
卵
牛乳
パン
麺類

など。

原材料費、電気代、人件費、物流費が上がる中で、

販売価格だけずっと据え置くことはできません。

これまで企業努力で吸収していたものが、

いよいよ限界に近づいている。

最近の値上げニュースを見ていると、そんな感じがします。


家計目線ではどう考える?

当然、

もやしまで高くなるのか……

と思います(笑)

ただ、例えば、

1袋30円
↓
40円

になったとしても、

1週間に3袋買う家庭なら、

10円 × 3袋 × 4週間

=月120円増。

年間でも、

1,440円。

家計全体から見ると、そこまで大きな金額ではありません。

むしろ怖いのは、

もやし10円
牛乳20円
卵30円
電気代500円
ガス代300円

というように、

小さな値上げが積み重なること。

これが月1,000円、2,000円と生活費を押し上げていきます。

FIREを目指している自分としても、

「もやしが10円上がった!」

と一つの商品だけを見るより、

生活費全体が年間でどれだけ増えているか

を見るほうが大事だと思っています。


まとめ|もやしの値上げは「安すぎる商品の限界」なのかも

もやしは長い間、

「物価の優等生」

と言われてきました。

でも、その裏では、

原料費が上がる。

光熱費が上がる。

物流費が上がる。

人件費も上がる。

それでも価格は上げにくい。

という状態が続いていました。

結果として、

2009年に235あった生産者は、2026年度初めには86まで減っています。 FNNプライムオンライン

そして2026年には、業界大手だったサイキ食品も事業停止。

これは単に、

「もやしが値上げする」

というだけのニュースではなく、

「安くて当たり前の商品を、今までの価格で作り続けるのが難しくなっている」

というニュースなのかもしれません。

個人的には、

数円、十数円の値上げで安定して作り続けてもらえるのであれば、

適正な値上げは仕方がない

と思います。

安い商品がなくなることより、

作ってくれる会社そのものがなくなってしまうほうが困りますからね。

今後スーパーに行った時は、

もやしの値段をちょっと気にして見てみようと思います(笑)

私がこの記事を書いたよ!

たぬきん

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