LPガスはなぜこんなに高い?都市ガス・オール電化と比較して分かった「選べるなら避けたい」理由

LPガスはなぜこんなに高い?都市ガス・オール電化と比較して分かった「選べるなら避けたい」理由

どうも、たぬきんです。

先日、

「LPガス料金、米国産でも『中東価格』で販売 迫る初の月1万円超」

というニュースを見ました。

LPガス、いわゆるプロパンガスです。

僕も以前から、

「プロパンガスって高くない?」

とは思っていました。

ただ、

都市ガスと何がそんなに違うのか。

原料が同じガスなのに、

なぜここまで料金差が出るのか。

気になったので調べてみました。

結論から言うと、

自宅を選ぶときに都市ガスやオール電化を選べるなら、僕ならLPガスを積極的には選びません。

ただし、LPガスにも災害に強い、都市ガスが通っていない地域でも使えるといったメリットがあります。

今回は、

  • なぜLPガスは高いのか
  • 都市ガス・オール電化とはどのくらい違うのか
  • なぜ米国産LPガスでも中東価格の影響を受けるのか
  • 賃貸・集合住宅でも料金を下げられる可能性はあるのか

このあたりを整理してみます。


まずLPガスと都市ガスは何が違う?

そもそも、

都市ガスとLPガスでは、

家庭までガスを届ける方法が違います。

都市ガスLPガス
主な供給方法地下のガス管ボンベを各家庭へ配送
主成分主にメタン主にプロパン
供給エリアガス導管のある地域全国各地
料金比較的安定会社・地域で差が大きい
災害時導管被害の影響あり個別供給なので復旧しやすい場合も
事業者変更自由化地域では選択可能戸建なら変更しやすい

都市ガスは、

大きなガス管から各家庭まで、

地下の導管で供給します。

一方、

LPガスは、

各家庭や集合住宅までボンベを運び、

そこから供給します。

つまりLPガスでは、

配送する人。

トラック。

ボンベ。

点検。

保安管理。

などのコストが必要です。

資源エネルギー庁によると、家庭用LPガス価格では配送費、人件費、保安費などの小売段階の費用が全体の6割超を占めています。エネ庁

ここがまず、都市ガスとの大きな違いです。


LPガス10㎥の全国平均は9,815円

そして今、

LPガスそのものもかなり高くなっています。

石油情報センターが2026年9月30日に公表した速報値では、

LPガス10㎥使用時の全国平均は、

9,815円。

1万円目前です。石油情報センター

地域別に見ると、

地域LPガス10㎥
北海道11,672円
東北10,785円
関東9,254円
中部9,700円
近畿9,439円
中国10,210円
四国9,439円
九州・沖縄9,734円
全国平均9,815円

北海道や東北、中国地方では、

すでに平均で1万円を超えています。石油情報センター

LPガス10㎥の地域別平均料金

2026年9月30日時点。基本料金・消費税込み。

0円3,500円7,000円10,500円14,000円北海道東北中国全国九州・沖縄中部近畿四国関東

出典:石油情報センター

こうして見ると、

「プロパンガス高いな……」

という感覚は、

気のせいではなさそうです。


でも都市ガスと「㎥単価」をそのまま比べてはいけない

ここは注意です。

LPガス1㎥と、

都市ガス1㎥では、

同じ量の熱が出るわけではありません。

LPガスの熱量は約99MJ/㎥。

都市ガス13Aは約45MJ/㎥。

LPガスのほうが、

約2.2倍熱量が大きい

ためです。東京ガス ウチコト

なので、

「LPガス700円/㎥、都市ガス170円/㎥だから4倍!」

という比べ方は正しくありません。

同じ熱量になるように換算して比較する必要があります。

それでも経産省の調査では、

LPガスは都市ガスより料金が高くなる傾向

が確認されています。経済産業省


オール電化・都市ガス・LPガス、結局どれが安い?

ここも気になりました。

経済産業省が過去に実施した家庭調査では、

電気とガスを合わせた月間光熱費は、

4人世帯の場合、

エネルギー月間光熱費
オール電化9,469円
電気+都市ガス13,485円
電気+LPガス14,383円

という結果でした。

この調査では、

どの世帯人数でもオール電化が最も安く、電気+LPガスが高い傾向

が確認されています。経済産業省

4人世帯の光熱費比較

経産省調査による参考比較。現在の料金そのものではなく、エネルギー別の傾向を見るための参考値。

0円4,000円8,000円12,000円16,000円オール電化都市ガス+電気LPガス+電気

出典:経済産業省調査

ただし、

これは現在の2026年料金を直接比較したものではありません。

電気も都市ガスもLPガスも価格が変動しているので、

「必ず今もこの差になる」

という意味ではありません。

それでも、

LPガス世帯の光熱費が高くなりやすいという構造を見る参考にはなります。


なぜLPガスはこんなに高い?

調べてみると、

単純に、

「プロパンという燃料自体が高いから」

だけではありません。

僕が重要だと思ったのは、

主に4つの理由です。

① 各家庭までボンベを運ばなければならない

都市ガスなら、

地下のガス管を通して供給できます。

LPガスは、

ボンベを配送。

交換。

点検。

管理。

しなければなりません。

つまり、

物流コストと人件費が大きい。

これが料金に乗ります。


② LPガス会社ごとに料金差が大きい

家庭用LPガスは、

販売事業者がそれぞれ料金を設定しています。

そのため、

同じ地域。

同じ使用量。

でも、

ガス会社によって料金が違うことがあります。

経産省の調査でも、

LPガスは都市ガスに比べて、

家庭ごとの料金のばらつきが大きい

ことが確認されています。経済産業省

つまり、

自分のガス代が高くても、

比較しないと気づきにくい。

これが結構怖いところです。


特に賃貸のLPガスは注意したい

さらに問題になっていたのが、

賃貸集合住宅です。

以前は、

LPガス会社が、

エアコン。

給湯器。

インターホン。

Wi-Fi設備。

などを物件オーナーに無償提供し、

その費用を、

入居者のLPガス料金から回収する

といった商慣行がありました。

つまり、

大家さんの設備費負担は減る。

でも、

その一部を知らないうちに入居者が負担する。

という構造です。

これは国も問題視しています。エネ庁


2025年からルールが変わった

この問題を受けて、

LPガス料金のルールが改正されました。

2025年4月2日から、

LPガス料金は原則、

基本料金

従量料金

設備料金

に分けて表示する三部料金制が徹底されています。

さらに、

LPガスと関係のないエアコンなどの設備費を、

LPガス料金に計上することは禁止。

新規の賃貸契約では、

ガス器具などの設備費についても、

LPガス料金への計上が禁止されています。中部経済産業局

これはかなり大きな変更だと思います。


なぜ米国産なのに「中東価格」の影響を受けるの?

今回読んだニュースで、

僕が一番、

「どういうこと?」

と思ったところです。

現在の日本は、

LPガスの調達先をかなり多様化していて、

米国からの輸入も増えています。

それなら、

「中東で何かあっても関係ないんじゃない?」

と思いますよね。

でも、

LPガスの価格形成はそんなに単純ではありません。

世界のLPガス市場には、

主に、

米国のモント・ベルビュー価格(MB)

や、

サウジアラビアのCP(Contract Price)

などの指標があります。

歴史的には、

日本を含むアジア地域のLPガス価格では、

サウジアラムコのCPが大きな影響を持ってきました。

近年は米国産LPガスの増加によって、

米国MB価格の影響も大きくなっています。エネ庁

つまり、

「アメリカで作ったガスだから、アメリカ国内価格だけで決まる」

という単純な話ではない。

世界市場。

輸送費。

為替。

国際的な価格指標。

国内流通費。

こうしたものが組み合わさって、

最終的な家庭料金になります。


原料より「家まで届けるコスト」が大きい

ここも重要です。

仮に海外でLPガスが安く調達できても、

家庭のガス料金が、

同じ割合で安くなるとは限りません。

先ほど書いた通り、

国内の小売段階には、

配送。

人件費。

保安。

営業。

設備管理。

などがあります。

資源エネルギー庁によると、

こうした小売段階の費用が、

家庭用LPガス価格の6割超を占めます。エネ庁

つまり、

「原料価格が安い=家庭のガス料金も安い」

ではないわけです。


結局、LPガスはやめたほうがいい?

ここは僕の考えです。

選択肢があるなら、

僕ならLPガスを第一候補にはしません。

理由はシンプルです。

料金が高くなりやすい。

事業者間の料金差が大きい。

配送コストがかかる。

賃貸では自分でガス会社を選べないことがある。

国際価格や為替の影響も受ける。

これらを考えると、

家を選ぶ段階で、

都市ガス。

あるいは、

オール電化。

を選べるなら、

僕はそちらを優先します。

特に、

これから家を借りる人。

家を買う人。

なら、

家賃だけでなく「ガスの種類」も確認したほうがいい

と思います。

月3,000円違えば、

年間、

36,000円。

10年なら、

36万円。

固定費なので、

結構大きいです。


ただしLPガスにもメリットはある

もちろん、

LPガス=悪い。

という話ではありません。

LPガスは、

ボンベを各地域に設置できるため、

都市ガスの導管がない地域でも利用できます。

また、

個別供給なので、

災害時の復旧が比較的早いケースもあります。

資源エネルギー庁もLPガスを、

災害時に重要な分散型エネルギーとして位置づけています。エネ庁

なので、

地方。

山間部。

災害リスク。

インフラ状況。

によっては、

LPガスが合理的な選択になることもあります。

僕が言いたいのは、

「選べる状況なのに何も比較せずLPガスを選ぶのはもったいない」

ということです。


まず自分のLPガス料金が高いのか調べる

すでにLPガスを使っている場合、

最初にやることは、

相場を知ること。

です。

請求書を見て、

基本料金。

従量料金。

設備料金。

使用量。

を確認します。

2025年4月からは、

三部料金制による表示ルールが施行されています。中部経済産業局

例えば、

10㎥使って、

月1万2,000円。

だったとします。

2026年9月の全国平均は、

9,815円。

なので、

平均より2,000円以上高い。

もちろん地域差があるので、

それだけで、

「高すぎる!」

とは判断できません。

でも、

比較するきっかけにはなります。


持ち家ならガス会社を比較する

戸建てなどで、

自分でLPガス会社を選べる場合は、

複数社を比較する価値があります。

LPガスは、

会社による料金差があります。

今の会社に、

「他社だとこの料金でした」

と相談する方法もあります。

あるいは、

条件が良ければ、

ガス会社そのものを変更する。

固定費は、

一度下げれば、

その後も効果が続きます。

これは、

保険。

スマホ。

電気。

と同じですね。


ただし「貸付配管」には注意

戸建てでも、

簡単に変更できないことがあります。

それが、

貸付配管

です。

住宅建築時に、

LPガス会社がガス配管を設置し、

その配管の所有権をガス会社が持っているケースです。

この場合、

他社に変更するときに、

配管の扱いや精算が問題になることがあります。

国も、

この貸付配管が、

LPガス会社の変更を難しくする原因の一つとして問題視しています。エネ庁

なので、

変更前に契約内容を確認したほうがいいです。


賃貸マンションでも都市ガスに変更できる?

ここは、

気になる人が多いと思います。

結論から言うと、

可能性はあります。

ただし、

自分の部屋だけ、

「今日から都市ガスにします!」

というのは基本的に難しいです。

集合住宅の場合、

建物全体のガス設備が、

LPガス用になっていることが多いためです。

都市ガスに変更するには、

近くに都市ガスの導管がある。

建物までガス管を引き込める。

設備を都市ガス対応に変更できる。

オーナーや管理会社が同意する。

といった条件が必要になります。

つまり、

最終的には大家さん・管理会社の判断

になります。


それでも大家さんに相談する価値はある

「じゃあ無理じゃん」

と思うかもしれません。

でも、

相談してみる価値はあると思います。

例えば、

同じ建物の住人から、

「LPガス代が高い」

という声が多い。

近くまで都市ガスが通っている。

都市ガス化すれば、

物件の魅力が上がる。

退去防止につながる。

こうした条件があれば、

大家さんにもメリットがあります。

いきなり、

「都市ガスに変えろ!」

と言うより、

「現在のガス料金が地域相場より高いのですが、ガス会社の変更や都市ガスへの切り替えは検討できますか?」

くらいがいいと思います。


都市ガス化が無理でも「LPガス会社変更」はできるかも

集合住宅の場合、

都市ガス化は、

道路からガス管を引く工事などが必要になるので、

結構大がかりです。

でも、

LPガス会社から、

別のLPガス会社への変更なら、

ハードルが下がります。

もちろん、

これも大家さんや管理会社の判断ですが、

都市ガス化よりは現実的なケースがあります。

つまり、

賃貸だから、

「何もできない」

とは限りません。


入居する前にガス料金を聞くのが一番楽

そして、

これから引っ越す人なら、

さらに重要です。

契約前にガス料金を確認する。

これが一番です。

現在は、

賃貸住宅の入居希望者が、

契約前にLPガス料金を確認しやすくするための制度も整備されています。エネ庁

部屋探しというと、

家賃。

駅からの距離。

築年数。

間取り。

ばかり見ます。

でも、

LPガスか都市ガスか。

これも、

実質的には家賃と同じくらい、

毎月の固定費に関係します。


家賃5,000円安いLPガス物件は本当に安い?

例えば、

A物件。

家賃、

7万円。

都市ガス。

B物件。

家賃、

6万5,000円。

LPガス。

一見、

B物件のほうが、

月5,000円安い。

でも、

LPガス代が、

都市ガスより月4,000円高かったら、

実質差は、

1,000円。

さらに冬場に差が広がれば、

ほとんど変わらない可能性もあります。

だから、

僕なら今後、

物件を見るときは、

「家賃+光熱費」

で比較します。


オール電化なら絶対正解?

では、

オール電化なら完璧なのか。

というと、

そうとも限りません。

オール電化は、

ガスの基本料金が不要。

夜間料金をうまく使える。

IHやエコキュートを使える。

といったメリットがあります。

一方で、

初期設備費。

エコキュートの交換費。

電気料金の上昇。

停電時の影響。

なども考える必要があります。

なので、

オール電化 > 都市ガス > LPガス

と絶対順位を決めるのではなく、

自分の家。

地域。

家族人数。

設備。

契約プラン。

で比較する必要があります。

ただ、

料金の透明性や事業者を選びやすいことまで含めると、

個人的には、

LPガスは一番慎重に確認したい

と思っています。


まとめ|家選びで「ガスの種類」は絶対確認したほうがいい

今回、

LPガスについて調べてみました。

2026年9月時点で、

LPガス10㎥の全国平均は、

9,815円。

地域によっては、

すでに1万円を超えています。石油情報センター

LPガスが高くなりやすい理由は、

単純に原料価格だけではありません。

配送費。

人件費。

保安費。

自由度の高い料金設定。

過去の不透明な商慣行。

など、

いくつもの要素があります。

そして現在は、

米国産LPガスが増えていても、

世界のLPガス市場自体が、

米国MB。

サウジCP。

原油価格。

為替。

輸送費。

など、

複数の要因でつながっています。エネ庁

だから、

「米国産だから中東情勢は関係ない」

とも単純には言えません。

僕としては、

これから家を選ぶなら、

家賃だけではなく、都市ガス・LPガス・オール電化まで確認する。

すでにLPガス物件に住んでいるなら、

まず自分の料金と地域相場を比較する。

持ち家なら、

他社への乗り換えを検討。

賃貸なら、

大家さんや管理会社に、

ガス会社変更や、

条件次第では都市ガス化について相談してみる。

固定費は、

月3,000円下がるだけでも、

年間3万6,000円。

10年なら36万円です。

投資で毎年3万6,000円利益を出そうと思ったら、

それなりの元本が必要です。

でも固定費なら、

一度見直せば、

何もしなくても効果が続く。

「知っているだけで払わなくて済むお金」

というのは、

資産形成ではかなり大きいと思います。

僕も今後引っ越しや住宅選びをするときは、

間取りや家賃だけでなく、

「この家、何ガス?」

まで確認しようと思います。

(因みに、現在私は社宅でLPガスの賃貸に住んでいるので、簡単には変えられないという辛い状況ですが、、、。)

※光熱費は地域、契約会社、使用量、住宅性能、季節、料金プランによって大きく変わります。本記事の比較は特定のエネルギー契約が必ず最安になることを示すものではありません。

私がこの記事を書いたよ!

たぬきん

たぬきん

トップへ