- 2026年9月1日
教育資金の贈与税優遇が終了|子育て支援を進める一方で、なぜこの制度はなくなったのか
最近、贈与税について調べていて気になるニュースを見つけました。 それが、 「教育資金の一括贈与に係る贈与税の……

最近は、老後のお金について、
「年金だけに頼らず、自分でも資産形成をしましょう」
と言われる機会が増えました。
NISAも拡充され、以前より投資を始めやすい環境になっています。
私自身も、これからの時代は国や会社だけに頼るのではなく、自分のお金は自分でも守っていく必要があると思っています。
だからこそ、最近進んでいる「金融所得を社会保険料や医療費の負担判定に反映する」という流れには、少し複雑な気持ちがあります。
簡単にいうと、
投資で得た利益も、その人の負担能力を判断する材料として使っていこう
という考え方です。
制度として公平にしようとしていることは理解できます。
ただ一方で、
「老後に備えて自分で投資してください。でも利益が出たら、その分負担も増える可能性があります」
と言われているようにも感じます。
今回は、そもそも何が変わるのか。
そして、私がどこに違和感を感じているのかを、できるだけ分かりやすくまとめます。
まず最初に大事なのは、
すべての投資家の社会保険料が、今すぐ一斉に上がるという話ではありません。
現在進められている見直しでは、後期高齢者医療制度において、一定の金融所得を保険料や医療費の自己負担割合の判定に反映する方向になっています。
では、なぜこのような見直しが必要になったのでしょうか。
その理由を理解するには、まず証券口座の仕組みを知っておく必要があります。
投資を始めたばかりだと、
「NISA」
「特定口座」
「一般口座」
の違いが分かりにくいと思います。
ざっくり整理すると、次のようになります。
| 口座 | 投資利益への税金 | 確定申告 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| NISA | 非課税 | 原則不要 | 利益に税金がかからない |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 約20% | 原則不要 | 証券会社が税金を自動計算 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 約20% | 原則必要 | 証券会社が年間取引報告書を作成 |
| 一般口座 | 約20% | 原則必要 | 自分で利益などを計算する必要がある |
今回の話で特に関係するのが、
特定口座(源泉徴収あり)
です。
この口座を利用していると、投資で利益が出たときに証券会社が税金を自動的に差し引いてくれます。
そのため、多くの場合は自分で確定申告をしなくても税金の処理を終えることができます。
とても便利な仕組みです。
ただ、この
「確定申告をしなくてもいい」
という部分が、今回の制度見直しにつながっています。
これまで社会保険料や医療費の自己負担割合を決める際には、市町村などが把握している所得情報が使われてきました。
例えば、
などです。
ところが、株式や投資信託の利益については少し事情が違います。
特定口座で税金が源泉徴収され、そのまま確定申告をしなかった場合、その金融所得が保険料などの判定に十分反映されないケースがありました。
つまり、
実際には投資利益があるのに、その利益が社会保険上の負担能力に反映されない場合があった
ということです。
文章だけだと分かりにくいので、流れを簡単にするとこうなります。
【これまで】
株や投資信託で利益が出る
↓
特定口座で税金が自動的に引かれる
↓
確定申告をしない
↓
金融所得が保険料の判定に
反映されない場合がある
↓
実際の所得差が
負担額に反映されないことがある
これを見直し、
【見直し後】
株や投資信託で利益が出る
↓
税金が引かれる
↓
確定申告の有無にかかわらず
一定の金融所得を把握
↓
保険料や医療費負担の
判定材料にする
という方向です。
つまり、
投資利益に新しい税金を直接かける
という話ではありません。
正確には、
投資で得た利益を「その人の負担能力」の判定にも使う
という話です。
例えば、同じ年金収入のAさんとBさんがいたとします。
Aさんには投資収入がありません。
一方、Bさんには株式などから年間500万円の金融所得があります。
それでも、Bさんが特定口座を使い、確定申告をしていなければ、その金融所得が医療保険の負担判定に十分反映されない場合がありました。
すると、
実際の経済力にはかなり差があるのに、医療保険上の負担はあまり変わらない
ということが起こります。
制度を運営する側からすれば、
「それは公平なのか?」
という話になります。
この考え方自体は、私も理解できます。
ただ、今回の話を知って、私は少し引っかかりました。
なぜなら、ここ数年ずっと、
「老後のお金は自分でも準備してください」
という流れが強くなっているからです。
NISAが拡充されたのも、その流れの一つだと思います。
老後が不安だから、
毎月の支出を減らす。
無駄遣いを我慢する。
そのお金を投資に回す。
そして、株価が下がる可能性も受け入れながら、10年、20年と運用する。
それでようやく利益が出たとします。
課税口座なら、その利益にはすでに税金がかかります。
そこからさらに、
「利益が出たので、社会保険料や医療費負担の判定にも使います」
となると、私は少し、
「老後のために自分で頑張ってください。でもうまくいったら、その分負担も増やします」
と言われているように感じます。
ここも大切だと思います。
投資にはリスクがあります。
100万円投資したからといって、必ず120万円になるわけではありません。
80万円になる可能性もあります。
つまり、
利益を得るためには、自分でリスクを引き受けています。
それでも老後のために、今使えるお金を我慢して投資に回す。
その結果として利益が出たときにだけ、
「所得が増えたので負担も増やします」
となれば、少し疑問を感じる人がいるのも当然ではないでしょうか。
例えば、同じ給料をもらっているAさんとBさんがいたとします。
Aさんは毎月5万円を趣味や娯楽に使います。
Bさんはその5万円を節約し、毎月投資に回します。
20年後。
Bさんは長期投資によって資産を増やすことができました。
一方、Aさんはほとんど資産形成をしていません。
もしそこで、
Bさんだけが
「金融所得がありますね。では、その分負担を増やします」
となれば、
「節約して将来に備えた人のほうが不利になるの?」
と感じる人が出てもおかしくありません。
もちろん、実際の制度はこんなに単純ではありません。
ただ、長期の資産形成を国として勧めるのであれば、
資産形成をした人が「頑張ったら損をした」と感じない制度にすることも重要
だと思います。
制度を運営する側と、資産形成をする側では、見ている部分が少し違います。
| 資産形成をする側 | 制度を運営する側 |
|---|---|
| 老後に備えて節約する | 負担能力に応じてもらいたい |
| 自分のお金を投資する | 金融所得も所得の一つと考える |
| 元本割れのリスクを負う | 所得が多い人との公平性を保ちたい |
| 利益が出れば税金を払う | 医療制度を維持したい |
| さらに負担が増える可能性 | 負担できる人に負担を求めたい |
私は、右側の考え方が理解できないわけではありません。
金融所得がたくさんある人まで、年金だけで暮らしている人と同じ負担でいいのか。
そう聞かれれば、
「確かに不公平かもしれない」
と思います。
一方で、
左側の気持ちも無視してほしくありません。
自分の将来のために節約し、投資し、リスクを取った結果として得た利益です。
そこにすでに税金を払っているにもかかわらず、さらに負担が増えるのであれば、
「では、何のために自分で資産形成を頑張るのか」
と感じる人が出るのも自然だと思います。
とはいえ、
「金融所得を社会保険料に反映するのは全部おかしい」
とまでは私は思いません。
例えば、
Aさん
年金収入:250万円
金融所得:0円
Bさん
年金収入:250万円
金融所得:1,000万円
だったとします。
もし金融所得をまったく見なければ、
AさんとBさんの医療保険上の負担がほとんど同じになる可能性があります。
でも、実際の経済力はかなり違います。
だから、
「負担できる人には、ある程度多く負担してもらう」
という考え方には合理性があります。
私が問題だと思っているのは、
金融所得を反映すること自体より、
資産形成を促す政策とのバランス
です。
私は、ここが一番重要だと思っています。
国として、
「年金だけでは不安なので、自分でも資産形成してください」
と勧める。
その一方で、
投資がうまくいった人については、
「所得が増えたので負担も増やします」
とする。
この2つをどう両立させるのか。
ここはもっと丁寧に考えてほしい部分です。
資産形成は、1年や2年でするものではありません。
20年、30年先を考えて行います。
だからこそ、
途中でルールが大きく変わりすぎると、長期投資への信頼そのものが揺らぐ
可能性があります。
ここは特に誤解しやすいところです。
現時点で、
今回の見直しによって、一般のNISA利用者の利益にすぐ社会保険料がかかるという話ではありません。
NISAはそもそも、
投資による利益が非課税になる制度
です。
そのため、現時点では引き続き大きなメリットがあります。
資産形成を始めるのであれば、
私はまずNISAを検討する価値は高いと思っています。
| 項目 | NISA | 課税口座 |
|---|---|---|
| 売却益への税金 | 非課税 | 約20% |
| 配当など | 条件を満たせば非課税 | 原則課税 |
| 長期資産形成との相性 | 高い | NISA枠を超えた運用向き |
| 制度上の優遇 | 大きい | 基本的に通常課税 |
もちろん、NISAだから絶対に儲かるという意味ではありません。
投資なので、値下がりする可能性はあります。
ただ、
同じ投資をするのであれば、税制優遇がある制度を知っておくことは重要
だと思います。
ここも冷静に考える必要があります。
今回の見直しを見て、
「これから会社員の投資利益にも全部社会保険料がかかる」
と考えるのは早すぎます。
現時点で、
すべての現役世代を対象にすることが決まったわけではありません。
これは非常に大事です。
ただし、
金融所得を社会保障の負担能力にどう反映するのかという議論は、今後も続く可能性があります。
だからこそ、
「自分には関係ない」
と完全に無視するのではなく、
今後の制度変更はチェックしておいたほうがいい
と私は思っています。
私は、今回の話だけを理由に、
投資をやめる必要はない
と思っています。
投資をしなければ、老後のお金の問題がなくなるわけではありません。
また、物価が上がれば、現金だけを持っていても実質的な価値が下がる可能性があります。
大切なのは、
制度が変わる可能性も含めて資産形成を考えること
だと思います。
私なら、次の3つを意識します。
投資を始めるなら、
まず非課税制度であるNISAの仕組みを理解します。
使える制度を知らないまま課税口座だけで運用するのは、もったいない場合があります。
これまでは、
「株の利益には何%税金がかかる?」
だけを気にしていた人も多いと思います。
これからは、
税金+社会保険
という視点も必要になってくるかもしれません。
税金。
年金。
NISA。
社会保険。
こうした制度は変わります。
だから、
一度理解したから終わり
ではなく、定期的に制度を確認することが大切です。
今回の制度について考えて、私が一番感じたのは、
資産形成を促すのであれば、長期的に安心して投資できる制度も必要ではないか
ということです。
老後のお金を自分で準備する。
これは今後ますます重要になると思います。
だからこそ、
節約して、
投資して、
リスクを取って、
将来のお金を準備した人が、
「頑張った結果、負担ばかり増えた」
と感じるような制度にはしてほしくありません。
一方で、
金融所得が多い人にも社会保障を支えてもらうという考え方も理解できます。
結局は、
「資産形成を促進すること」と「社会保障を公平に維持すること」のバランス
が重要なのだと思います。
今回の内容を簡単に整理すると、
ということになります。
私は、
金融所得が多い人にも相応の負担をしてもらう
という考え方は理解できます。
ただ一方で、
「老後は自助努力で資産形成してください」と言いながら、その資産形成がうまくいった人の負担を増やし続けるのであれば、本当に投資を促す政策と両立できるのか
という疑問は残ります。
投資をするかどうかだけではなく、
その周りにある税金や社会保険の仕組みまで知ること。
これからは、それも資産形成の一部なのかもしれません。
あなたは、投資で得た利益を社会保険料や医療費負担の判定に使うことについて、どう思いますか?
※本記事は2026年8月時点で公表されている制度情報をもとに作成しています。税制や社会保険制度は今後変更される可能性があります。個別の税務・社会保険については、必要に応じて税理士・社会保険労務士などの専門家へご確認ください。
コメントを書く