- 2026年8月29日
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どうも、たぬきんです。
今回は、**『メダリスト』**を紹介したいと思います。
アニメも放送されていたので、名前を知っている人はかなり多いかもしれません。
でも改めて原作漫画を読むと、やっぱりこの作品はすごい。
フィギュアスケート漫画ではあるんですが、読んでいて感じるのは、**「子どもと大人、2人が一緒に成長していく物語」**なんですよね。
熱いスポーツ漫画が好きな人はもちろん、子どもとの関わり方や「自分に何ができるのか」で悩んだ経験がある人にも、かなり刺さる作品だと思います。
『メダリスト』は、フィギュアスケートに憧れる少女・結束いのりと、スケートへの夢を諦めきれずにいた青年・明浦路司が出会い、選手とコーチとして世界を目指していく物語です。
講談社公式では、司を「夢破れた青年」、いのりを「見放された少女」と紹介していて、2人がフィギュアスケートで世界を目指す成長物語として描かれています。アフタヌーン公式サイト
スタート地点から、かなり順風満帆とは言えません。
いのりはスケートを始めるには遅い年齢からの挑戦。
司もまた、自分自身が思うように競技を続けられなかった過去を持っています。
そんな2人が出会って、
「それでもやりたい」
という気持ちを武器に前へ進んでいきます。
作者はつるまいかだ先生。
愛知県出身で、『メダリスト』が連載デビュー作です。過去には『鳴きヤミ』で即日新人賞 in COMITIA123優秀賞を受賞しています。講談社
『メダリスト』は評価も高く、第68回小学館漫画賞の一般向け部門、第48回講談社漫画賞の総合部門などを受賞しています。講談社
作者インタビューでは、子どもだけでなく、子どもを支える大人側の努力や輝きも描きたかったと語られています。講談社コクリコ|講談社
これを知ると、司先生の描かれ方があれだけ丁寧なのも納得できます。
『メダリスト』は女の子のキャラクターも多く、絵柄も華やかなので、最初はかわいい系のスポーツ漫画を想像するかもしれません。
でも、物語の出発点は意外と暗いです。
主人公のいのりは、何でも要領よくできるタイプではありません。
学校でも露骨ないじめを受けているわけではない。
ただ、
「この子はできない子」
という空気を周囲から向けられている。
そんな雰囲気があります。
しかも、要領のいいお姉ちゃんがいて、その姉の影響もありスケートに興味を持つようになります。
ところが、その姉はスケートでケガをして引退。
その経験から、いのりがスケートをやりたいと言っても、
「こんな危ないスポーツを、いのりにできるわけがない」
というように、親に先回りして可能性を決められてしまいます。
もちろん親としては心配している。
でも、いのりにとってはそれが、
「自分はできない人間なんだ」
という思い込みにつながっていく。
だからこそ彼女にとって、スケートは単なる趣味ではありません。
作中で感じるのは、
「自分にはスケートしかない」
という強さと危うさ。
好きだからやるだけではなく、自分の存在価値までスケートに結びついてしまっている。
『メダリスト』は、そんな呪縛を少しずつ乗り越えていく物語でもあると思います。
そして、個人的にかなり好きなのが司先生です。
司自身も、スケートをやりたかった。
でも家庭の経済状況などもあり、十分な環境で競技に取り組むことができなかった過去を持っています。
だからこそ、
「いのりには自分と同じ思いをしてほしくない」
という気持ちがある。
ただ、司は最初から完璧なコーチではありません。
むしろ初めてのことだらけです。
だから、ものすごく勉強する。
どう教えれば伝わるのか。
今のいのりには何が必要なのか。
褒めるべきなのか。
厳しく言うべきなのか。
待つべきなのか。
そういうことを一つひとつ本気で考えています。
この心理描写がものすごく丁寧なんですよね。
特に、子どもとのコミュニケーションの取り方がかなり勉強になります。
読んでいると、
「作者の後ろに小学生とか中学生がいるんじゃないか?」
と思うくらい(笑)、子どもの考え方や感情の揺れが細かい。
作者インタビューでも、子どもはそれぞれ成長スピードや個性が違うことを意識して描いていると語られています。講談社コクリコ|講談社
いのりだけではなく、司先生自身も一緒に成長していく。
ここが『メダリスト』の大きな魅力だと思います。
当然、2人の前にはたくさんの壁が立ちはだかります。
競技歴。
才能。
ライバル。
家族。
お金。
指導経験。
自信。
いろいろな問題が出てきます。
そして、いつも一直線に解決するわけではありません。
すれ違うこともある。
遠回りすることもある。
間違えることもある。
それでも、
いのりは選手としてベストを尽くす。
司はコーチとしてベストを尽くす。
お互いができることを必死に考えて、一つずつ壁を越えていく。
フィギュアスケートという題材ですが、読んでいる感覚はかなり王道の少年漫画に近いです。
「強くなりたい」
「勝ちたい」
「夢を叶えたい」
そのために努力して、失敗して、また立ち上がる。
めちゃくちゃ熱いです。
『メダリスト』は、単純にフィギュアスケートの試合を楽しむ漫画ではありません。
いのりが自分自身の可能性を信じられるようになっていく物語であり、
司が「コーチとは何か」を学んでいく物語でもあります。
子どもと大人。
選手とコーチ。
2人が支え合いながら、それぞれ成長していく。
だからこそ、試合で結果が出たときの感情がものすごく大きい。
フィギュアスケートに詳しくない人でも問題なく楽しめると思います。
むしろ、
熱いスポーツ漫画が好きな人。
努力して成長していく物語が好きな人。
子どもと大人の関係を丁寧に描いた作品が好きな人。
そんな人にはぜひ読んでほしい作品です。
アニメで知った人も、まだ原作を読んでいないなら、ぜひ漫画でも読んでみてください。
いのりと司先生、2人がどこまで行くのか。
ずっと見届けたくなる漫画です。

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